関節リウマチとは
関節リウマチは、自己免疫疾患と考えられています。自分自身のカラダの一部を自分のものではないとして、これに対する抗体をつくって攻撃してしまいます。その際に、関節内に存在する滑膜という組織が異 常増殖することによって関節内に慢性の炎症が生じます。 進行すると関節が破壊され機能障害を引き起こし、日常生活に支障をきたしてしまいます。
また、関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。
こんな症状ありませんか?
朝起きた時に、手足などの関節のこわばりが少なくとも1時間以上続く | |
少なくとも3か所以上の関節、特に手首や手足の指が同時に腫れて痛むことがある | |
左右対称に、関節炎を発症している | |
第2関節、付け根、手首の関節のうち、少なくとも1か所以上が腫れている | |
上記症状が、6週以上続いている |
原因
遺伝的要因や細菌・ウイルスの感染などが考えられていますが、詳しいことはまだ解明されていません。
診断
- 問 診
発症時期、罹患期間、症状その他疾患、症状の有無、ご家族の方の病歴等についてお聞きします。
- X線検査
関節破壊や変形の有無、その他の疾患の鑑別のために検査します。
- 超音波検査
滑膜炎の程度や、薬効を評価するために行います。
- 血液検査
関節リウマチの診断には欠かせない検査です。
- 炎症反応
血沈:体内に炎症があると赤血球が沈む速度(血沈)が速くなります。
CRP(C反応タンパク):体内に炎症が起こると血中にCRPという特殊なタンパクが現れます。
- 免疫学的検査
RF(リウマチ因子):自己抗体であるリウマチ因子をもっているか検査します。
- 生化学的検査
GOT、GPT:肝機能障害の有無を検査します。
血清クレアチニン:薬腎機能障害の有無を検査します。
- その他
貧血の有無や、薬の効果を検査します。
治療法
薬物療法
関節リウマチ治療の基本は早期発見・早期治療です。できるだけ早期に診断し、適切な薬物治療を行うことが非常に大切です。
手術療法
人工関節置換術
リウマチが進行すると関節が破壊され、安定性や踏ん張るなど支持性が失われるため人工関節置換術が必要になるケースがあります。
当院では、連携医療機関にて、膝や股関節の人工関節置換術、足関節や足趾の手術を行っています。
関節リウマチの治療目標
少し前まで、関節リウマチはその進行を止めることが出来ない疾患と考えられていました。しかし、生物学的製剤が開発されてからは、関節リウマチの治療は飛躍的に進歩し、現在は進行を止めることが夢ではなくなりました。
現在の関節リウマチの治療目標は「痛みを抑えること」から「寛解」へと変わりました。
「寛解」とは、関節リウマチの症状や兆候がほぼ消失した状態を指します。
● 関節リウマチ治療の目標
臨床的寛解 |
構造的寛解 |
機能的寛解 |
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関節の痛みや腫れをとる |
骨・関節破壊の進行を抑える |
生活機能(QOL)を維持する |
関節リウマチと骨粗鬆症
関節リウマチでは、その病期に応じて、あるいは治療に用いる薬剤によって骨粗鬆症を伴い、それを続発性骨粗鬆症といいます。
リウマチ治療と同時に、骨粗鬆症の検査や治療も行い全身状態を診ていく必要があります。